日本の総理大臣の在任期間

 日本国憲法下での、日本の総理大臣在任期間をまとめてみたのでメモ。数字の出展はWikipedia日本の総理大臣」より。日本の総理大臣としては33人目以降ということになります。(大日本帝国憲法下でも首相だった吉田茂を含む。)

元々ばらつきは大きいですが、全体的には在任期間が短縮傾向にあります。三次関数で近似すると、橋本・小泉首相の影響で近年にも長めになるピークはありました。

 60人目の鳩山由紀夫総理までの29人で、在任期間の平均は806日。2年と2ヶ月とちょっと、位です。そんなに長かったっけ?と思ってしまうのは、2/3(19人)がそれより短いからで、中央値は600日辺りです。

一定日数よりも在任期間が短い総理大臣の人数を、縦軸にとっています。
この図を見ると、「100日の壁」「400日の壁」「1000日の壁」という三つの壁があるということでしょうか。1000日を超えると権力が絶大で、誰も手出しできなくなるのかな。


 ついでに、衆院の任期あるいは米大統領の任期の4年を基準に、在任期間の逆数を「4年間あたりの総理大臣数」という形で表現してみました。ちょうど1年務めた福田康夫総理の場合4人、5年以上総理の座にあった小泉総理の場合0.74人ということになります。

わかりやすいように縦軸は対数表示で。例えば4年の任期がある外国首脳にとって、自分の任期中に会う日本の首相の(仮想的な)人数です。もっとも、極端に短かった総理には会うこと自体無いので、先ほどの三つの壁は「友達の壁」>>「知り合いの壁」>>「誰?の壁」にもなるのかもしれません。


 年単位で見ても、3年以下の総理が8割を占めることがわかります。

 先ほどの「100日・400日・1000日の壁」仮説に基づいて分類すると、次の通り。

それぞれ、短い方から3人・8人・12人・6人属しています。

バブル崩壊を基準に考えると、海部総理以前では800日辺りが長命/短命の境目でした。しかしその後の宮沢総理以降、明らかに政権の短命化が見られます。乱暴ですが、400日未満の総理を「空白期間」でまとめてしまうと、今はその「空白」が異常に長期化していることが読み取れます。


総理大臣は国の顔である、ということを考えたら平均的な総理が1000日(3年弱)くらいは在任できるのが望ましいと思いますが、それを超えられるのは僅か5人に一人。個人の能力はともかく、その人が選ばれるプロセス・システム全体の修正が必要なのかもしれません。


他の国も同様に分析して比較してみたいところです。